能面の説明

能面の種類 能面の読み 能面の説明
小面 こおもて 華やかさの中に若い女性の初々しさを表した面
若女 わかおんな 艶やかさの感じられる若い女性の面、観世流のシテ面
節木増 ふしきぞう 目と鼻の接点に木地の節目から浮き出た傷がある面
孫次郎 まごじろう 濃艶な若い女面、金剛流で用いる
万媚 まんび 若い女性での中で濃艶さを強調した面
増女 ぞうおんな 清高な品格のある端正な女面
深井 ふかい 中年の愁いを含んだ女性の面で狂女物に多く用いる
曲見 しゃくみ 深井よりやや老けたシャクレた顔立ちの淋しい表情の面
近江女 おうみおんな 小面より庶民的で少し年増な艶っぽい女性の面
うば 神性をそなえた品位の高い老嫗の面
泥眼 でいがん 女性の生霊を表わし、怨霊の面として用いる
朝日 あさひ 中年近い女性の苦悩の色を表現した面
橋姫 はしひめ 復習の念に燃える女性の怨霊の面で、松明をくわえた表情
生成 なまなり 般若になる以前の面、角が般若より小さく凄まじい形相
般若 はんにゃ 嫉妬する怨霊の面として女性の執念のおそろしさを表す

真蛇
じゃ
しんじゃ
般若の嫉妬がさらに進んで動物としての蛇体に化した面
山姥 やまんば 山に棲む、野生の精気を表した鬼女の面
痩女 やせおんな 痩男と同じように冥土の姿で現れる幽霊の面
おと 狂言で用いる若い女面
童子 どうじ 少年の姿をかりた妖精の面
十六 じゅうろく 十六歳の若さで生涯を閉じた平家の公達、生田敦盛の面
喝食 かっしき 禅寺に住み食事の世話などをした半僧半俗の少年の面
猩久 しょうじょう 酒を嗜み、酔って舞い戯れる妖精の面
邯鄲男 かんたんおとこ 哲学青年の壊疑的な憂愁さを残す若い男面
中将 ちゅうじょう 平安朝の公達の貴公子らしい優雅な男面
平太 へいた 歴戦の勇者らしく陽にやけた中年の武将の面
三日月 みかづき 面裏に三日月型の刻印があり、黄褐色で怪士系の面
小牛尉 こうしじょう 神性を帯びた品位の高い老翁の面
三光尉 さんこうじょう 作者の三光坊の名を付けた面、庶民的で親しみやすい
朝倉尉 あさくらじょう 小牛尉が気品の高い老翁なのに対し庶民の善良さを表現した面
笑尉 わらいじょう 尉面の中では人間性豊かな、庶民的な面
皺尉 しわじょう 独特の皺の模様、舞遊ぶ高雅な老翁をよく表現した面
大飛出 おおとびで 雷神となった菅公の忿怒の表情を表した面
小飛出 ことびで 地上を軽快にかけめぐる狐神や妖精の面
黒鬚 くろひげ 龍神の面、眉毛や上下の口鬚が黒々と描かれている
小べし見 こべしみ 緊張感をみなぎらせた鬼神の面
長霊べし見 ちょうれいべしみ 大べし見の派生面、ユーモラスな表情であるが大盗熊坂長範の役に
おきな 円満福徳の相をもつ翁の専用面。切顎の特徴をもつ
黒式尉 こくしきじょう 翁と同じ形式の小ぶりで黒く塗られた田の神の面
父尉 ちちのじょう 世継ぎの翁の父、家門繁栄、子孫繁昌を祝う老人の面
延命冠者 えんめいかじゃ 延命の徳をそなえた少年の相貌で、父尉と対になる面
蝉丸 せみまる 延喜帝の皇子でらう盲目の少年の面
景清 かげきよ 落人となり盲目の乞食法師となった平家の侍大将の面
不動 ふどう 不動明王の面、悪魔降伏をもつといわれています
獅子口 ししぐち 獅子が口を大きく開けた時の強い表情
小獅子 こじし 大獅子とともに用いる子供獅子の面
筋怪士 すじあやかし 怪士の額の頂とこめかみに静脈の筋を掘り出した面
痩男 やせおとこ 執念と恨みをこめた死霊の面